社員座談会 part-1
信号保安設備施工のスペシャリストとして
奈良営業所H所長「N/H」・技術部H課長「G/H」・鉄道信号部K係長「T/K」・営業部Y課長「E/Y]
顧客の要望を受け、安全に、的確に工事を進める
――まずは自己紹介を兼ねて、皆さんが現在所属している部署の業務内容や特徴、最近取り組まれた工事などについて教えてください。
G/H 技術部に所属し、主に鉄道関係の施工図や製作図、回線図といった図面を作成しています。現在は、ニュートラム(大阪メトロ南港ポートタウン線)の伝送線の更新工事や、神戸市営地下鉄西神・山手線の新長田駅連動装置とATC(自動列車制御装置)更新工事などの図面を描いています。
T/K 鉄道信号部で、鉄道の信号保安設備などの工事を担当しています。最近の仕事としては、2020(令和2)年6月から、大阪府高石市内で南海電気鉄道の南海本線連続立体交差事業に携わっています。浜寺公園駅~高石駅間の信号機や転てつ機、ATS(自動列車停止装置)取り付けなどを行っています。
E/Y 営業部で、鉄道関連の案件に携わっています。当社はさまざまな鉄道会社と取引させていただいていますが、私は主に阪神電気鉄道と阪急電鉄、信号メーカーを担当しています。現在は主な案件として阪神なんば線 淀川橋梁改築工事に携わっています。
N/H 奈良営業所で、主に奈良県警察本部の交通信号の工事を担当しています。2021(令和3)年3月までは、奈良県内の38交差点の信号機更新工事に携わっていました。交通信号工事の入札がない時期は、鉄道信号工事の応援に行くこともあります。
――G/HさんとT/Kさんは以前、社外研修で取引先である日本信号に行かれていましたね。そこではどのようなことを学びましたか。
G/H 1997(平成7)年から1999(平成9)年までの3年間、日本信号の宇都宮工場(現在の宇都宮事業所)で、ATCの工場内検査を担当していました。装置の中の細かい部品シートを1枚ずつ調整・検査していく仕事です。現在は配線図などを描いていますので、研修で学んだことを応用できていると思います。
T/K 私は2000(平成12)年に日本信号の宇都宮事業所と与野工場に研修に行きました。宇都宮事業所では主に車両に実装する機器の検査を行い、与野工場ではATCシステムの検査などを担当していました。研修ではさまざまな測定器について学び、使えるようになりました。
――信号保安設備に携わるスペシャリストとして、日頃はどのようなことを心がけて業務を進めていますか。また、これまで仕事をしてきて、先輩社員から学んだことについても聞かせてください。
G/H お客様から図面をいただくこともありますが、その際も現場を自分の目で細かい点まで確認することが大事だと考えています。確認を怠ったところに限って、後で大変な目に遭ったり、行き詰まったりするんですよね。私は現場では事務管理を行うことが多いですが、ある時ケーブルの切換工事で、昼間にどのケーブルを切り換えるのかをきちんと確認できず、その日の夜にスムーズに工事を進められなかったことがありました。昼間は電車が運行していて確認しにくいという事情もありましたが、きちんと確認しないと失敗につながると痛感しましたね。
先輩方から言われて心がけていることは、後輩に仕事を任せる時に、「自分と同じレベルだと思って任せるのではなく、ある程度余裕を持って任せること」です。余裕を持たせないと、「なんでできないんだ」といらいらすることも出てきてしまいますよね。「自分はこれだけできるから、後輩も大丈夫だろう」と考えないこと。後輩の能力を見極めて仕事を振るようにしています。
N/H 「いい仕事をする」ことと、施工管理をきちんとやるように心がけています。社長からもよく「いい仕事をしよう」と言われますが、私にとっての「いい仕事」は、納期も出来栄えもきちんとして終わらせられた仕事です。例えば信号機一つとっても、斜めに柱が立っていてはいけませんよね。きっちりと当たり前のことを当たり前にやるということが大切だと考えています。施工管理については、一つの工事に対して、内容をよく吟味しながら計画書や実行予算書を作成し、人員や機材、予算を適切に配分していくことを意識しています。その結果、お客様から「阪和さんにやってもらって良かった」と言われたり、「阪和さんだったらちゃんとやってくれるから」と他のお客様にご紹介いただけたりすると、当社への信頼を実感できてうれしくなります。
先輩社員からは、G/Hさんの話と通じるところもありますが、「部下に言ったら当たり前にやってくれるだろうと思わずに、自分が責任を持ってできているかどうかを確認すること」と教えられました。「部下が依頼した内容を理解して、動いてくれているかどうかを見ないといけないよ」とよく言われました。
E/Y 営業担当者として、お客様の要望にお応えしつつ、工事部の方々と連携し、スムーズに工事を進めていく事を大切にしています。お客様と交渉しながら折り合いをつけるのが大変な時もありますが、お客様から「無理を言ったけど聞いてくれてありがとう」などと言われるとうれしいですね。先輩方からは、常に広い視野で挑戦心を持ち、新しい流れにもしっかり目を向けて仕事に取り組んでいくことを学びました。
T/K 私は先ほど話した南海本線連続立体交差事業で、当社の工事指揮者として高架工事関係者の動きをきちんと把握しながら、現場での打ち合わせに重点を置いて業務を進めています。いろいろな事業者がかかわる工事で、現場の状況は日々変化していきますので、お客様と作業前の打ち合わせをする時に細かく確認しています。先輩方から学んだことは、配線図面や施工図面はあくまでも参考であり図面を過信しないことです。現場調査をしてみると実際は図面通りではなかったという経験が何度もありました。先輩から学んだ色々なことを今も忘れず業務に生かしています。
「みんなで難局を乗り越える」伝統
――皆さんが考える「阪和電設らしさ」「阪和電設の強み」とは何でしょうか。
E/Y 京都、神戸、和歌山、奈良、名古屋と全国5ヵ所に営業所の拠点があり、各鉄道事業者の信号保安設備工事を担っています。また現在では九州(佐賀県)や北陸(福井県)において新幹線の工事も請け負っていますので、企業としての経験値が高いという強みがあります。最近では国外のインフラ整備にも目を向け、2019(令和元)年にインドネシアの首都ジャカルタで開業した都市高速鉄道新設工事に携わりました。当社にとって初の海外鉄道事業で、私はプロジェクトチームの一員として現地へ行くことになりました。当時、海外赴任を迷っていた私に社長が「いい経験になるから行ってこい」と激励してくださったんです。最初は言葉や文化の壁、現地スタッフの仕事に対する考え方の違いなどで苦労も多くありました。しかし今では良い経験をさせていただいたと会社に感謝しています。また数年後に予定されている延伸に向けても、色々と取り組んでいきたいと思います。
N/H 当社には伝統的に「みんなで難局を乗り越える」という姿勢があります。会議などで、「神戸が忙しくなる」「名古屋で大型工事を受注した」という情報が出てくると、臨機応変に各部署から業務支援の人員を出して、会社全体で一丸となって繁忙期を乗り切っています。私も若い頃から交通、鉄道問わずあちこちの現場に応援に行きました。
G/H 機動力は本当に当社の強みだと思います。私が入社した1990(平成2)年、神鉄三田駅~横山駅間で大規模な複線化工事がありました。私は新人で現場に入り、目の前にある仕事を一生懸命やるのが精いっぱいでした。その時に応援の先輩方がどんどん投入されて、来る方来る方的確に仕事をこなされているのを見て、すごいなと思いましたね。鉄道事業者が違えば、工事の仕方やルールも違ってきますが、皆さん指示を受けて的確に動かれていました。工事が遅れていた部分もありましたが、日に日にできあがってくるんです。新人ながら「間に合わないかも」と思っていましたが、工期内に終わり、きちんと開業にこぎつけられました。
T/K 社員一人ひとりが自分の与えられた役割を忠実に果たす。チーム全体としては、他の信号工事業者に負けないチームワークと機動力があり、それが当社の強みですね。現在、南海本線連続立体交差事業で、当社を含む3業者で仮上り線の撤去工事を行っていますが、当社の担当範囲のボリュームがあるにもかかわらず、迅速に的確に作業が進んでいます。そういうのを見ると、当社のチームワークを感じますね。
公共性の高い、形に残る仕事に誇りを持って
――若手社員や、今後入社してくる後輩たちには、
どのようなことを期待されていますか。
T/K 仕事で分からないことがあればそのままで終わらせずに、分かるまで上司に尋ねて、一つずつ覚えていってもらいたいです。初めから仕事ができる人はいませんし、分からないことが出てくるのは当たり前ですので。そして、そこから得た経験を生かしながら、自ら物事を考えて、積極的に行動に移せる社員になっていってもらいたいですね。
E/Y 阪和電設という会社を好きになり、仕事に興味を持って色んなことに挑戦してほしいです。最初は失敗ばかりで思い通りに進まない辛さや、もどかしさ等がありますが、臆せず前と上を向いて色々な事に挑戦を続けて欲しいです。そのような若手社員がより活発に、新しい事にチャレンジできる企業風土づくりに貢献したいと思います。
G/H 若手社員や今後入社してくる方々には、根気よく仕事を続けてほしいなと思います。私は当社の入社試験を受けた時に、当時の玉田弘典社長から「この会社では、一人前になるのに10年ほどかかる。辛抱強く仕事をしてください」と言われました。現場に出ると夏は暑いし冬は寒いので、忍耐力が必要です。専門知識を身につけるのも大変ですが、信号についてわかりだすと仕事も面白くなってきます。それらを一つ一つ乗り越えて、頑張っていってほしいです。
N/H 最初はわからないことや難しいことが多いと思いますが、形に残る仕事をしていますので、情熱をもって仕事に取り組んでほしいですね。私も入社した当初は悩んだこともありましたが、長く続けていると、だんだんと「この信号機は私が工事したよな」「あの時しんどかったけど、正確に電車が走っていて良かった。」と感じるようになりました。公共性のある仕事をする意義を感じたり、完成した工事の達成感を味わえると思います。信号設備ができて安全に電車や自動車が走っているのは我々が成し遂げた仕事だ、という誇りを持って頑張っていってもらいたいです。
――ありがとうございました。
交通信号部W次長「K/W」・名古屋営業所N課長「N/N」・鉄道信号部H課長「T/H」・和歌山営業所K所長「W/K」・京都営業所S課長「K/S」
安全第一・無事故は工事の鉄則
――まずは自己紹介を兼ねて、皆さんが現在所属している部署の業務内容や特徴、最近取り組まれた工事などについて教えてください。
T/H 現在は鉄道信号部で、近畿日本鉄道の信号設備工事などに携わっています。昨年度は近鉄吉野線の信号設備更新工事を、奈良営業所の方の協力を得て完工しました。今年度は、近鉄長野線の連続立体交差化工事に取り組んでいきます。
W/K 和歌山営業所に所属していますが、現在は神戸営業所に出張中です。神戸市営地下鉄山手線のインピーダンスボンド(列車検知のために電流を分離する装置)の更新工事に携わっています。和歌山営業所の特徴としては、日本製鉄関西製鉄所和歌山地区(和歌山市)内での業務がありますね。工場内は、貨物を運ぶ機関車が走っていて、踏切などの設備もあります。変則的な交差点が多いため、交通信号もあり、当社はその整備をしています。
K/W 交通信号部で道路の信号設備などの設置・保守をしています。現在は、JR大阪駅前にある阪神前交差点の信号の移設工事などに取り組んでいます。また交通信号機を活用した5G(第5世代移動通信システム)ネットワークの整備も進んでいますので、今後はその関連の工事にもかかわっていきます。
K/S 京都営業所で、京都市交通局や京阪電気鉄道、叡山電鉄の工事を担当しています。最近は、叡山電鉄の工事車両用踏切の新設工事に携わりました。
N/N 名古屋営業所で、主に近畿日本鉄道や愛知環状鉄道、名古屋市交通局の工事をしています。最近は、名古屋市営地下鉄名城線各駅のホーム柵設置工事に伴うATО(自動列車運転装置)とDCU(ドア制御ユニット)制御装置の設置工事に取り組みました。
――信号保安設備に携わるスペシャリストとして、日頃はどのようなことを心がけて業務を進めていますか。また、これまで仕事をしてきて、先輩社員から学んだことについても聞かせてください。
K/W 交通信号を担当していますので、工事中に交通渋滞を起こさないようにするということと、近隣住民や道路を通行する方々への配慮を心がけています。なるべく日曜日や夜間に工事をするようにして、住民の方々には工事前にビラを配って知らせていますが、音が出る作業がありますので、ご迷惑をかけてしまう時もあります。苦情がないように日々努力していますが、悩みどころですね。工事中は片側通行など交通規制をかけますが、渋滞が起きたらいったん車を通して緩和させるなど工夫しています。
若い頃から先輩社員には、当社が元請けで下請事業者と仕事をする際に「下請けさんの方が年上でも、自分が責任者として、何かあれば責任を取る覚悟でやれ」と言われてきました。また、下請事業者に来てもらったものの現場で作業ができない、ということがないように、業務を調整しています。
W/K 先輩社員から学んだことは、やはり事故を起こさないことですね。車も電車も、作業員が当たったらけがをするし、交通に支障を来すので、無事故を心がけるようにと言われてきました。交通信号の仕事だと、柱に上って高所で作業をします。下ではガードマンが歩行者らを誘導しますが、もし道具などを落として人に当たったら大けがをさせてしまいます。自分では気付かなくても、先輩社員から見ると危ない時もあり、「この体勢は危ない」「道具が落ちかけている」と言われることがありました。ですから、作業中は周りに気を配って進めています。
T/H 安全は常に心がけていますね。自分自身、仕事中にけがをしたことがあるので、周りの人にはそんなことがないように気を付けています。線路端の事故ですと、一歩間違えるとけがではすみませんし、夏場は熱中症対策にも気を遣います。
私は、コンクリートを割っている時にけがをしてしまい、1週間現場に行けなかったことがあります。仕事を早く終わらせようと思って、普段より大きな機械を使ってしまったんですね。体勢を変えようとした時にけがをしてしまい、「自分の技術力が足りていないのに、無理をしてはいけないな」と痛感しました。そこで技術力を高めようと、ベテランの先輩社員に機械の使い方を見てもらいました。「体勢が悪いからこうした方がいい」などと指導を受けて実践すると、やりやすくなりましたよ。
N/N 私も、現場で三大災害と言われる触車、転落、感電を起こさないように心がけています。電車はレール上を走っていますが、気を付けていないと接触してしまいます。今では専属の列車監視員や、作業者用列車接近警報装置がついていて列車接近を教えてくれますが、昔は電車が来る時間間隔を頭に入れて作業に臨んでも、仕事に夢中になってしまい忘れてしまうことがありました。時刻表を見て、電車が来る方向や時間間隔を確認するものの、時刻表を見間違えて慌てることもありました。今でも、施主や元請業者と作業員の配置などを綿密に確認して業務に当たるようにしています。
あとは工期を気にしながら仕事を進めることですね。工期と品質において、これまで先輩方が築き上げてきた信頼を失わないよう気を付けています。
K/S 鉄道関連の工事をするうえで100%の仕事をすること、ミスをなくすことを心がけています。ケーブル1本間違えただけでも電車が止まってしまいますから、ミスをなくすために仕事の内容をきっちりと把握し、手順などを確認するようにしています。その時には1人だけでなく、他の人の目でも確認してもらっています。また事前準備も重要ですね。例えば踏切の拡幅工事では、「このケーブルは拡幅後も使うけれど、こちらのケーブルは使わないので撤去する」というケースがあります。準備段階で振り分けをちゃんとしておかないと、誤って必要な線を撤去してしまい、電車の運行に影響が出てしまうこともありますから。
上司からは、「仕事のメリハリをつけろ」とよく言われますね。休むときは休む、無茶をしない。集中力のいる仕事ですし、それが切れるとヒューマンエラーがだんだん出てきますので、気を付けています。
――仕事をしていてやりがいや達成感を感じるのは、どのような時ですか。
K/W 皆さんそうでしょうけど、工期中に工事が終わったというのが一番ほっとしますね。交通信号の工事は1件につき数カ月と、鉄道と比べると期間が短いです。工期が3カ月の工事でも、メーカーさんの機器が入ってくるのが約1カ月後、全部の準備ができて当社が本格的に工事に入れるのが約2カ月後になりますからね。その間、機器が必要のない部分の工事は進めますが、機器が入らないとできないことが多いのが悩みどころ。私たちよりも工期が長い鉄道関連の工事の担当者も、同様の悩みを抱えているそうです。ですから、工期中にきちんと工事を終えられると本当にほっとしますね。
技術力と組織力でニーズに応える
――皆さんが考える「阪和電設らしさ」「阪和電設の強み」とは何でしょうか。
W/K 当社には、交通信号、鉄道信号といった特殊な工事に対応できる技術力があります。一人ひとりが技術を身につけながら、チームワークでさらにそれを高めていると言えるでしょうか。
和歌山営業所は人数が少なく、年齢で言うと私が一番年下になりますが、けっこう言いたいことは言えていますね。20年ほど一緒に仕事をしている先輩もいますので、だいたい相手の考えていることも分かりますし、気楽に仕事ができています。和歌山の仕事が落ち着いている時は、名古屋や大阪など他の営業所に出張に行くことも多いです。
N/N 社内の雰囲気は良いと思いますね。名古屋営業所は社員が15人ほどいて、担当する現場によっていくつかのグループに分かれています。グループ内では年齢や上下に関係なく和気あいあいとしています。W/KさんやK/Sさんとも一緒に仕事をしたことがありますが、出張や応援で来られても居心地が良かったのではないかと思います。仲間意識まではいかなくとも、楽しくしていこうという雰囲気がある会社ですよね。
T/H 当社の強みというと、やはり技術力と組織力、ということでしょうね。この業界で大きい会社としては各鉄道会社の子会社が多いですが、そうした中でも当社には、鉄道・運輸機構(独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)や大阪メトロ(大阪市高速電気軌道)などの一次下請事業者として仕事ができる技術があります。先輩方も公的資格を多く持っていますし、官公庁関連の仕事もしていますしね。
組織力については、人手が足りない時に他部署に応援を求めると、快く応じてもらえます。お願いして断られることはあまりないですね。鷲津さんに応援に来てもらったこともありますし、助けてもらっています。だから、私は「いい会社だな」と思っていますね。
K/W 信号工事事業者としては大きな会社ですし、社内のチームワークはいいんじゃないですかね。鉄道信号の工事の担当部署とも、忙しいところがあればそこに人員を配置する、というふうに連携が取れていると思います。また奈良営業所や和歌山営業所と連絡を取り合い、お互いに工事があればすぐに行くようにしています。そういう会社としての強み、機動力はあるのではないでしょうか。同じ時期に忙しくなってしまうこともありますが、「私たちで役に立つのならいつでも行きますよ」とは伝えています。日頃交通信号の工事をしている人間が鉄道信号の工事に行くと戸惑うこともありますし、ケーブル張りなど体力を使う仕事を任せられることもありますが、私たちにできることをやればいいと思っています。結果的に当社の工事がスムーズに終われば、それに勝るものはありません。
K/S 皆さんと重複しますが、特殊な仕事をしていますので、技術力がある会社だと思います。お客様から「阪和さんはきれいに仕事をしてくれる」と言っていただけるとうれしいですし、やりがいがありますね。
若手社員には、自分の意見を伝えてほしい
――若手社員や、今後入社してくる後輩たちには、どのようなことを期待されていますか。
N/N 当社は、技術向上のために社員研修を行ったり、社員の資格取得に力を入れたりしています。ですから、「頑張っていきたい」「スキルアップしていきたい」というやる気のある人にはいい会社ですね。あとは、社内や現場でのルールをきちんと守れる人材に来てほしいですね。守れないと、事故を引き起こしてしまう可能性がありますので。
K/S 若手社員には、なるべく自分の意見を言ってもらいたいと思います。私にもそういうところはありますし、言えない雰囲気があるかもしれませんが、自分から発信しながら育っていってもらいたいです。そうすると、こちらも若手の考えというのが分かってきますし、仕事に対して理解していること、理解していないことも把握できます。お互いの考えが分かってはじめて、一緒に仕事ができるようなこともありますからね。私としてはそのために、若手には軽く世間話をして気持ちを柔らかくしてから、意見を聞くようにしています。
K/K これから当社に入ってくる方には、できることなら業務に必要な資格を取ってきてほしいなと思います。第二種電気工事士など高校で取れる資格もありますので、学生時代に取れる資格はしっかり取って、入ってきてほしいです。それだけでも、入社してから取るのとは全然違います。資格を持っているということは、それだけ目標を持って勉強しているということになりますし、技術面でも少しは有利になるのではないでしょうか。特殊な作業が多いので、学んだことがそのまま役に立つというわけではないのですが。また、行動力のある人がいいなと思いますね。分からないことがあれば積極的に聞きながら仕事をしてほしいです。
T/H 私も、若手社員にはなるべく聞きに来てほしいですね。私が入社した頃は、現場に行って先輩方から厳しく指導されながら「無事に1日終わったな」と思って帰っていました。先輩はとても怖かったですが、言っていることは正しかった。ある先輩からは「人間死ぬまで勉強だぞ」と教えてもらい、失敗しながらもこれまで仕事を続けてきました。若手がやって失敗したものをどうにか納める、失敗する手前で止めるのが先輩だと思います。現場で言いにくい、コミュニケーションが取りにくい雰囲気があるかもしれませんが、「次は何をしますか」と聞く、「やらせてください」と手を挙げてほしいです。何を聞けばよいか分からない、というのもあると思います。私も入社した頃はそんな感じでした。しかし、K/Sさんが話していたように、意見を言ってもらわないと考えていることも分かりませんしね。
K/W 私たちの仕事は、基本は現場で作業する仕事です。パソコン作業ができることも大切でしょうが、体の強い人に入ってきてほしいですね。現場が第一ですので、暑い時もあれば、寒い時もあります。厳しい先輩もいますが、それは事故が起きる可能性のある業務においてメリハリをつけるという意味合いもあります。入ってきてから入社前とのギャップを感じてほしくないので、「現場で作業する」ということを分かったうえで入ってきてほしいですね。現場で得られることも多いので、あまり難しく考えず、素直に作業に取り組んでもらえればいいなと思います。
若手社員は、入社して戸惑うこともあるでしょうが、同じ世代の社員らと話しながら仲良くやっていけば、仕事も覚えていけるのではないでしょうか。私も現場では厳しいことを言いますので、へこたれてしまう人もいるかもしれませんが、それは事故を起こさないようにと考えてやっていることです。現場を離れたら、そんなことはありませんよ(笑)。頑張っていれば、社長をはじめ会社はちゃんと評価してくれますので、ベテランも若手も一丸となって質の高い工事を進めていきたいですね。
――ありがとうございました。